【できてますか?】ライフステージごとのお口ケア➁

 一生ものの歯について、前回から引き続きお口ケアを振り返っていきます。前回は保護者様向けの、お子様に関する内容でした。
 どこにも行けない夏休みに、ゆっくり時間をとってお子様と歯磨きをするきっかけになってもらっていたらいいなと思います。
 今回はコラム読者対象の成人期から。歯の病気についても触れていきます。つい乱れがちな生活習慣になっている方は、今一度丁寧に歯を磨く心がけをしてみてください。

ライフステージごとのお口ケア

成人期(18歳~64歳)

 誰も管理してくれない、自分のことは自分でやる。そんな社会人生活、だらけてはいませんか?油断すると歯を磨かないで疲れて寝てしまったり、なんてこともあると思いますが、年齢とともに病気へのリスクも高まるため、念入りなお手入れが必要になります。
➀成人期の特徴
・多忙になり生活が不規則になってくる時期で、自分の歯やお口への興味が薄れます。
・体調の不良は気にしても、口腔ケアは後回しにしがちです。
➁歯周病
・成人期には歯周病が急激に増え、年々割合が増加しています。
・歯周病になると、歯ぐきが腫れたり、出血したり、口臭がきつくなったり、重度になると歯が抜けたりします。
・糖尿病、心疾患、脳梗塞など全身の健康に悪影響を及ぼす恐れがある重大な病気です。
・歯磨きと共に、週1回以上はデンタルフロスや歯間ブラシなどを使用しましょう。
➂妊娠中
・妊娠中のお母さんはホルモンバランスが乱れやすく、体調を崩すこともあり、歯周病やむし歯が進行しやすくなります。
・お母さんのお口の中の環境が悪くなると、歯周病の原因菌などがお腹の赤ちゃんに影響を及ぼし、低体重児出産や早産などの危険性が高くなる可能性があるので、気を付けましょう。

高齢期(65歳以上)

 この辺りになると、若かりし頃に怠けてしまった人は要注意です。
➀高齢期の特徴
・身体機能の低下と共に、歯の喪失や噛む力が低下します。
・お口の機能が低下すると、むせや咳、誤嚥が起こりやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
・お口の健康は、全身の健康に大きく関わっています。
・お口の機能を保つために、よく噛んで食べましょう。
・お口の体操も行いましょう。
➁誤嚥性肺炎について
・誤嚥性肺炎は、細菌が、唾液や食べ物などと一緒に気管に入りこんでしまうことで発症する疾患です。飲み込み力が低下した高齢者におきやすく、死因の上位に位置づけられています。
・飲み込む力を鍛えることに加えて、歯や入れ歯、舌など、お口の中を清潔にすることが誤嚥性肺炎の予防になります。
➂もし歯を失ってしまったら
・歯を失ってしまったら、入れ歯を使うなどしましょう。
・歯を抜けたままにすると、噛む力が低下し、認知症のリスクが上がるといった研究結果が報告されています。
・残っている歯と入れ歯の毎日のケアを正しく行いましょう(入れ歯を外した状態でケアしましょう)。
・入れ歯の溝や歯茎の部分、入れ歯の裏側や留め金にも汚れや細菌がたまりやすくなります。

口腔ケアについて

1⃣正しい磨き方

◆就寝前はとくに時間をかけて念入りに
・むし歯や歯周病を予防するには、食べかすや歯垢をしっかり落とすことが大切です。
・毎食後歯を磨いていて、食べかすや歯垢を落としましょう。忙しくてもせめて1日1回は、丁寧に磨きましょう。
・とくに就寝中は、唾液の分泌が少ないため、細菌が繁殖しやすく、就寝前には時間をかけて念入りに磨くことが重要です。
・磨けるときにしっかり磨いておけば、歯垢がたまるのを防げます。

◆1本1本意識して、丁寧にみがくのが基本
・歯をみがくときに大切なのは、まず口の中を鏡でよく見て、自分の歯の形や歯並びをよく知ること。
・口の中には、複雑な凸凹がたくさんあります。奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯肉の境目など、歯ブラシが届きにくいところは、磨き残しが多いのでとくに意識して1本1本丁寧に磨くようにしましょう。
・奥歯、前歯の裏、歯並びの悪いところ、歯と歯肉の境目の磨き方に注意しましょう。
◆歯ブラシの取り替え時期
 毛先が開くと歯垢が落としにくくなります。毛先が開き始めたら取り換えの目安。1か月に1回程度は新しいものに取り替えましょう。
◆デンタルフロスなどの使用
 歯ブラシだけでは落ちにくい歯の隙間の歯垢を取り除くためにデンタルフロスなどを毎日使いましょう。
◆就寝前のデンタルリンス
 就寝中は唾液の分泌量が減少するために口腔内の細菌が急激に増えます。お口の中を長時間清潔に保つためには、就寝前の丁寧な歯磨きに加えてデンタルリンスの使用も効果的です。
◆フッ化物配合の歯磨き粉で再石灰化を促進
 フッ化物には、歯の質を強化する働き(むし歯の原因菌が作る酸に溶けにくい歯質にすること)と歯へのミネラルの補給を促し、健康な状態にもどす働き(再石灰化)があります。
 フッ化物を歯に効果的に取りこませるには、フッ化物配合の歯磨き粉を歯ブラシの2/3程度(約1g)つけて、3分間以上ブラッシングするのがポイントです。うがいのしすぎはフッ化物を洗い流してしまいます。すすぎの回数を少なめにすることも大切です。

2⃣歯肉炎や歯周病の予防

・歯肉炎や歯周病を予防するには、毎日の歯磨きできちんと歯垢を落としましょう。歯肉をマッサージして血流を流すことも効果的です。

3⃣口臭予防

・お口の中に原因がある口臭を防ぐには丁寧なブラッシングなどで清潔に保つようにしましょう。
・口臭は歯垢だけでなく舌の上や付け根にたまった舌苔から発生することもあるので、歯磨きのあとに舌も磨くと効果的です。
・舌磨きはいつも使っているブラシでOK。ただし舌はとても傷つきやすいため力を入れ過ぎず軽くかきだすようにしてください。もちろん、口臭の原因が全身の病気による場合はその病気を治すことが必要です。

いかがでしたか?

歯の専門医がいるように、体の一部の中でも大事な歯。まだまだ予防できることはあるかもしれませんが、こちらをベースに丁寧なお口ケアを目指しましょう!


■おわりに
これからも生活の知恵や工夫、お役に立つ内容をご紹介していきます。
更に契約ガス会社の見直し、プロパンガスについて疑問などございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
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