まだ最近のことですが、2018年12月にある不動産会社が消臭除菌スプレー缶を大量に噴射した後、湯沸かし器のスイッチを入れたことにより大爆発をするという事故が起こりました。
さて皆さんは、スプレー缶の処分方法、しっかり認識しているでしょうか？これは他人事ではありません。スプレー缶以外にもガスを使用した製品はたくさんあります。使用方法や、処分方法を誤ってしまうと、この1件のように大惨事になり兼ねないのです。今回はガスにちなんだお話しとして、身の回りで使用されているガスの中でもスプレー缶に着目し、今一度取り扱いの確認をしていきたいと思います！
■スプレー缶（エアゾール製品）とは
スプレー缶は塗料、殺虫剤、ヘアスプレー、制汗消臭剤、家庭用消臭芳香剤など私たちの身近に使われています。簡単、スピーディ、便利な製品だからこそ、安全に使用したいですよね。
もともとスプレー缶の内容物は不燃性のフロンガスが使用されていましたが、オゾン層の破壊が問題になり1990年以降減少しました。現在はLPG（液体石油ガス、通称プロパンガス）とDME（ジメチルエーテル）で、両方とも可燃性となったことで、取り扱いに注意が必要となりました。
■購入・保管
必要以上の内容量のものを購入せず、自動車内、直射日光の当たる場所及び加熱源の近くなどに放置しないでください。
■使用時
噴射中及び噴射直後に火気を近づけると引火危険性があるため、スプレー使用直後の着火や喫煙などは避けてください。
■破棄方法
「使い切って捨てること」と注意表示されています。
使い切るとは、スプレー缶を振っても音が鳴らない位まで使用することです。
2016年からスプレー缶内の残存ガスを完全に出し切れるようにガス抜きキャップ（中身排出機構）が付属されるようになりました。
■危険性
中身が残っているスプレー缶に穴を開けて廃棄する場合、周囲の火種で引火・爆発する危険があります。静電気を伴って発火する恐れもあります。
中身が残ったまま廃棄すると、ごみ収集車やごみ施設でガスが漏れ、何らかの火種で火災になる危険性があります。
■廃棄の問題点
各自治体で穴を開ける、開けない、の違いがあります。国民生活センターでは開けないよう推進していますが、各自治体に確認してください。
■事故事例
こちらでは事故事例を挙げます。このようなことにならぬよう取り扱いには十分注意してください。
・自宅でヒーターのそばに置いてあったヘアスプレー缶が爆発し、カーテンに燃え移り窓ガラスが割れて体の一部に火傷を負った
・火をつけているコンロの近くでスプレー缶のガス抜きを行ったら引火し体の一部に火傷を負った
・殺虫剤を使用したら近くのコンセント付近で「ポン」と音がした（コンセントの電力に引火したと思われますが、幸い惨事には至らず）
・塗料スプレー缶を廃棄しようとして穴を開けたところ、穴から塗料が噴出し顔にかかり目を負傷した
・中指でスプレー缶の噴射ボタンを押していたら中指が凍ったように冷たく動かなくなり、慌てて温めたが完治までに１週間かかった（漏れたガスが一定の部分に当たり続けると凍傷になる恐れがあります）
■まとめ
・高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たる所や火気等の近くなど40度以上となる所に置かないこと
・炎や火気、電気の近くで使用しないこと
・火気を使用している室内で大量に使用しないこと
・使用中にガスが漏れて体の一部に触れていないか注意を払うこと
・使い切って捨てること
・火の中には間違っても入れないこと
スプレー缶はとても便利ですが、高圧ガスを使用した可燃性の製品であり危険も伴う為、使用上の注意と処分方法を守って使用してくださいね☆
- エアゾール製品についてはこちらのエアゾール協会HPにも詳しく記載されております
■おわりに
今回はガスにちなんだお話しをご紹介しました。
ガスは様々なところで皆さんの生活の役に立っております。
反対に私たちは、皆さまのお役に立てるよう、皆さんからのガスに対する疑問やご相談などにお応えしていく次第です。
もちろん、プロパンガスの見直しも大歓迎です。
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